「貧しい時でも沢山子供をつくっていたと」いう二階氏だが

最近,世間を騒がした二階俊博自民党幹事長の講演会での発言(6月16日)。その中で,こんなことも言ってます。

“ 戦前の、みんな食うや食わずで、戦中、戦後ね、そういう時代に、「子どもを産んだら大変だから、子どもを産まないようにしよう」といった人はないんだよ。”

貧しい時でも沢山子供をつくっていたのに,今の若い人たちはけしからんという趣旨の発言と思うのですが,人口問題についての「基本的な知識」が欠けています。

貧しい時には出生率が高く,豊かになれば出生率が下がってくるというのは,世界のどこでも同じように起こってきた事実。日本も貧しい「のに」出生率が高かったのではなく貧しい「から」出生率が高かったのですよ。学校でも教わりました。

「食うや食わず」の時は,子供は教育もあまり受けずに(受けられずに)物心つけば労働力になっていたので,子供をたくさん産むことが親にとって経済的保障になっていました。病気や戦争で死ぬ可能性も高かったこともあります。今は,それなりの教育を与えなければそれなりの収入を得ることができないので,子供をたくさん作れば(とんでもない収入がない限り)必ず親も子供も不幸になってしまいます。だから,2人目に躊躇する,3人目は無理となるのです。

それを,「豊かになったのに,産まないのはけしからん。」という発言はあまりに無知。もちろん,彼が普通のおじいさんなら,私の批判は余計なお世話なのですが……。

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masao
ゲイツ,ジョブズ,さんまと同じ1955年生まれ。 この春から自由人?に。