一寸先は「天国」 アジアカップ・イラン戦

予想外の大差で勝利

28日のアジアカップ準決勝,対イラン戦。予想外の点差で日本が勝ちましたが,実力は均衡していました。

試合開始からしばらくは日本が攻め込んでいたのですが,前半途中から,イラン得意の,中国戦で猛威を振るった,放り込んでバウンドした球をアズムンが決めるという戦法で攻勢に転じました。サッカーがうまいのは日本の方だけれど,力ずくの攻めに敗れてしまうという,昔から続いてきた韓国との試合が頭に浮かんで,悪い予感が。

「一寸先は闇」と不安になっていたら,南野のがんばりで試合は動いて「天国」に。

絶対に負けられない戦いなどない

サッカー観戦は,その試合に一喜一憂して楽しむというのが一つの楽しみ方ですが,大会全体を通して見るという通?な見方も楽しいものです。

森保監督の手腕は,前者の見方ではダメダメですが,後者の見方では素晴らしいということに。ファンだけでなく「評論家」にも,グループリーグでの戦い方を批判するナイーブな人たちが多くいるのですが,それは「あたらない」でしょう。色々な戦評のなかで,トルシエ氏とオシム氏が日本の戦い方を肯定し続けたのはさすがです。それにしても,サウジアラビア戦の支配率の低さは極端だったとは思いますが。

日本チームは,アジア大会では優勝を目標に戦っています。相手の出方に合わせた戦い方は必要ですし,ターンオーバーも必要です。「圧倒的に勝つ」ことは目標ではありません。先のワールドカップではグループリーグ突破が第一の目標だったのだから,ポーランド戦後半の状況では引き分けねらいが当然なのと同じです。

日本サッカーの成熟

もちろん,相手に合わせた戦い方ができるだけの能力を選手たちが持つようになったからこそ,色々な戦い方を可能にしているのですが。たとえば,ロングボールで攻めるイランに対処できたのも,吉田に加えて富安という戦力が登場したからで,この二人なら,2006年ドイツ・ワールドカップのオーストラリア戦も逆転されずに済んだことでしょう。日本のサッカーも見事に成熟したものです。(もちろん,大国との差は大きいですが。)

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masao
ゲイツ,ジョブズ,さんまと同じ1955年生まれ。 この春から自由人?に。