電力確保には原発が必須!? 3・11に考える

原発を動かさなければ電力は確保できない!

札幌に住む私も,昨年の北海道胆振東部地震で,現代の生活がいかに電力に依存しているかを思い知らされました。電力に依存した生活をしている私たちですが,そのような生活が地球温暖化を加速させています。私たちが生き延びるためには化石燃料の消費量を減らさなければならないのですが……。

そのために,化石燃料の代わりとして風力などの再生可能エネルギーが期待されていますが,発電量が不安定なので主要な電源とはなりません。とすると,頼れるのは発電時に二酸化炭素を発生しない原子力発電だけですから,安全が確認された原発は再稼働をすべきですし,さらには新設も必要です。

政府や中西経団連会長(原発を作っている日立製作所の会長でもある)の考え方は上記のようなものです。

「原発再稼働どんどんやるべき」福島事故後停止で経団連会長(京都新聞)https://www.kyoto-np.co.jp/economy/article/20190115000112

原子力発電はすでに経済的行為ではない

はたして,原発を主な電源とするという方針は持続可能でしょうか? 安倍首相の推進する原発輸出は現在,完全にストップしてしまいました。その理由は,3・11後の安全基準の強化によって原子力発電の電気が高価になって経済性を失ってしまった(他の電力の方が安い)ことと,原発周辺の住民が反対を強めていることです。

日立の原発計画「もう限界」=英国政府に伝達-中西経団連会長(時事通信)https://www.jiji.com/jc/article?k=2018121702174&g=eco&utm_source=jijicom&utm_medium=referral&utm_campaign=jijicom_auto_aja

原発の新設は(民主主義の先進国では)難しいということです。電源を原発に頼ることは,経済的にも政治的にも不可能になってきています。

 実現不可能な目標にしがみつくと

政府も原発産業も,目標が実現できないのに気付いているとは思います。しかし,当面の問題から逃げるために,方針を変えられずにいます。そして,それは将来,「原子力発電はできない上に,代わりになるエネルギーも開発されていないという」大混乱につながります。

責任ある人の行動とは,不可能だと分かった時点で,実現可能なものに変更して,現実に対処することなのですが。もちろん,それは難しいことであることは理解しますが。この状態は,戦争で負け始めた時と同じです。まずいとわかっていても自分の時に止めることができない。それが最終的には「玉砕」につながっていくのです。

今やるべきことは

これからとるべきエネルギー政策について考えます。まず,事故の処理・廃棄物の処理をしなければなりません。電力の確保は,当面はLNG発電などの火力発電と再生可能エネルギーの組み合わせで,長期的には,電池など電力調整の手段を開発することで再生可能エネルギーを中心とした供給体制をつくることです。もちろん,困難な道ですが,希望はあります。

原子力産業は超有望

原子力発電に未来はありませんが,原子力発電関連産業はこれから長期にわたって欠かすことのできない産業になります。少なくとも今後数十年にわたって,廃炉や廃棄物処理のための技術開発が不可欠です。毎年,兆円単位の費用が,電力会社からではなく税金から出されるでしょう。「AIによって仕事が奪われる」と叫ばれている昨今,こんなに有望な産業は他にはあまり見当たりません。(皮肉ではなく)若い人には原子力産業を目指してもらいたいです。

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masao
ゲイツ,ジョブズ,さんまと同じ1955年生まれ。 この春から自由人?に。