そもそも中途半端な新国立競技場

新国立競技場の2つの案が発表された。デザインの良し悪しはともかく,実は新国立競技場の計画は中途半端だということを思い出して欲しい。

「陸上競技場・サッカー場,そしてコンサート会場としての機能を持つ競技場」というのが出発点のコンセプトだと理解している。しかし,そのいずれもが中途半端にしか実現されていない。

まず,陸上競技場としては「サブトラック」が常設されないのが致命的で,大きな大会はできない。オリンピックの時は,絵画館前の軟式野球場に仮設のトラックをつくると思われるが,大会の度に作っていては採算が取れない。

サッカー場としては,陸上のトラックがあって観客席から遠いことが致命的。プロのチームを誘致するのは,すでに幾つもの専用競技場がある中で困難。

コンサート会場としては,最初の計画にあった,競技場全体を覆う屋根が設けられなくなったので,雨と防音の面で,コンサートの回数を増やして採算を取ることが困難。また,回数を増やせば芝生の維持も問題に。

結局,7万人近くの観客が集まり,採算がとれるイベントはなかなか開けないので,悲しいかな,負の遺産に。

私は,札幌ドームの建設に反対していた。現在球場の収支は黒字だが,それは幸運に恵まれた結果オーライ。コンサドーレだけでは大赤字,球場完成後にファイターズが本拠地を移して,しかもそこそこ強いチームになったたので黒字に。弱小チームだったら黒字にはなっていない。

ところで,ニュースで「B案がいい」と無邪気に語る指導者には唖然。


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masao
ゲイツ,ジョブズ,さんまと同じ1955年生まれ。 この春から自由人?に。