世界に先駆ける大実験で日本経済が崩壊する

アベノミクスは,世界に先駆ける大実験である。選挙に「勝った」安倍首相はさらにそれを加速させることだろう。

不況になれば政府が財政支出を増やし,金融を緩和する。一時期は,これで景気が回復していた。ところが,ここ数十年,この方法はうまくいかなくなっている。金融緩和が投資を活性化することはなく,バブルを生み出しては崩壊する。日本のバブル崩壊やリーマンショックがそれである。そして,バブルでもうけた紳士はコストを負担せず,政府が国民のお金を企業に与えることで危機は処理される。

このようになるのは,政策の前提である経済成長が難しくなっているからである。この現象は進んだ資本主義の国に共通していること。どの国も同じ問題を抱えているのだ。

そんな中で,アベノミクスだ。アベノミクスに画期的な要素はない。ただ,「効果がでるまで,徹底的にやる」という点が今までの世界中の国の政策にないこと。金融緩和には副作用があるから,普通は様子を見ながらやるのだが,安倍首相には「信念と決断力」があるので,失敗したときの結果を恐れずに「効果がでるまで躊躇せずに」おこなえるのだ。

しかし,前述のように経済成長はおこらず,金融緩和のバズーガが連発されることになる。その結果バブルが拡大した後,崩壊する。


今日の経済のパワーは,政府の財政がもつパワーを大きく超えている。動かしているお金のけたが違う。だから,政治で経済を「つくりだす」ことはできない。政治ができることはせいぜい「調整」なのだ。革命を起こして経済体制そのものを変えるのなら話は別だが。

汚染水はコントロールされていると「宣言」したからといって,汚染水がコントロールできるものではないのはご存じの通り。経済を再生すると「宣言」しても,実現不可能なことは実現しない。逆に,副作用によって経済は「崩壊」する。

今,大震災後の炉心溶解のような恐怖を,私は感じている。

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masao
ゲイツ,ジョブズ,さんまと同じ1955年生まれ。 この春から自由人?に。