「命令」の令ではない 令和の意味について考える
「命令に従って,仲良くしろ」と言う意味ではない
新しい年号が発表されました。「令和」を,「命令に従って仲良くしなさい」という意味にとって,抵抗を感じた人たちがいます。確かに,令は「いいつける」という意味がありますからね。でも「よい」という意味もあるのです。「巧言令色」の令です。つまり,批判は「まったくあたらない」のです。英訳はBeautiful Harmonyだそうです。
しかし,漢字を見た時,多くの人が思い浮かべるのは,「命令」の令でしょう。ほとんどの場合そういう意味で使われるのですから。
そう言う意味では使ってないよと「丁寧に説明」していくしかないですね。
中国の書物ではなく,日本の書物からとった!
初めて「国書」からとった元号ということが,さかんにアピールされました。今までは中国の書物からでした。
出典である万葉集は,日本最古の和歌集として知られます。なるほど「美しい日本」です。
でも,「令和」が導かれたのは和歌からではなく漢文=中国語で書かれた部分からなので残念です。(古代の文書は中国語で書かれています。日本語には文字がなかったからです。)
万葉仮名で書かれた和歌の多くの文字は,ひらがな・カタカナのように漢字に音をあてただけなので,文字をピックアップして意味を導き出すことが困難なのです。
その上,令和の元ネタは中国の書物にあるといわれます。(ウィキペディア「令和」序文に影響を与えたという説のある漢籍)
そもそも中国の文化なしに「令和」が生まれることもないので,日本オリジナルを「強調しすぎる」のはいかがなものかと思う次第です。
コメント