プレミアム付き商品券は誰得? 

丸山動物園へ続く遊歩道で。(本文とは関係ありません)

プレミアム付き商品券は「誰得」?

来年の消費税増税時にプレミアム付き商品券を発行しようと政府は動いています。商品券は市町村が発行し,基本的には発行した市町村で使えるようです。プレミアム分をだれが負担するのか調べてみたのですが,わかりません。国か市町村がその収入から負担することは間違いないのですが。

つまり,消費者全体で見れば,結局増税分だけ負担が増え,それを商品券を使うことで少し回収するということで,決して「お得」になるわけではありません。それなら,最初から,当初の増税の率を1%とかにして,段階的に上げたほうがベターなのですが。

確実に不利益を受けるのは,余計な?仕事が増える市町村の職員。利益になるのは商品券を印刷する人と市町村の商店。そして,「私の力で地元の商店街に還元した!」とアピールできる先生たちですね。

クレジットカードのポイント還元の場合は?

クレジットカードのポイント還元もやるそうです。この場合は「誰得」でしょうか。

「ポイント」はカード会社がつけるものですが,ポイント相当のお金は国がカード会社に対して予算から支出するのでしょうね。原資は国の予算です。トータルで,国民が得をするわけではありません。

国民全体ではそうですが,もちろん,利益・不利益は人により違います。一番得するのは,高額の消費をできる高所得層。相対的に損をするのが,もっとも貧しい,カードが作れない人たち。

中小の小売店は手数料を負担することはできないので顧客の一部を失い,損。カード会社にとってはシステム変更など損ばかり。

そもそも,日本国政府が,日本のカード発行会社はともかく,ビザやマスターというカード会社の決める手数料を強制的に下げさせることなどできるのかという問題もあります。

キャッシュレス化を進めようとするのは悪くはないと思いまが,やり方が無理筋ではと思う次第です。

ふるさと納税は?

消費税納税とは関係ありませんが,「特産品の通販」ともいわれるふるさと納税も,誰得という観点からみてみましょう。

ふるさと納税は,ある地方公共団体に支払うことになっていた税金の一部を別な地方公共団体に移し,その税金の一部が「返礼品」に化けるシステムです。

一番恩恵を受けるのは高額の税を納めている人,地方公共団体は全体で見ると「返礼品」の分だけ税収が減って損をします。これでは地方活性化の目的にふさわしい手段とはいえませんね。ふるさと納税の趣旨からいうと,「返礼品」はやめて,礼状だけで良いと思うのですが。

結局ビジョンがないから

サマータイムはなんとか止めになりましたが,最近は,国全体で見ればマイナスになるような,筋の悪い政策が多すぎます。政治が,目標とする生活のあり方=ビジョンをもっていないから,目先のことにだけとらわれたり,自分の周りに集まってくる人たちのことを優遇するだけになっているのが原因かなと私は思うのです。

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masao
ゲイツ,ジョブズ,さんまと同じ1955年生まれ。 この春から自由人?に。