日高線が運休している理由

レ・コード観からの展望

レ・コード館の展望台からは,新冠の小さな市街地が一望できる。といっても,広大な風景ではない。ほんの数キロほどが手に取るように見えているだけだ。

そこには,日高線沿線の市街地にみられる典型的な地形がある。日高沿線は海岸段丘の地形が続く。ごく狭い海岸の平地からすぐに断崖となり,その上は起伏の緩やかな丘陵が広がっている。一方,日高山脈を下って海に注ぐ川が丘陵を切り開き,河口付近に小規模ではあるが平野を作り出している。そうしてできた平野に新冠の市街地はあり,他の市街地も同様である。

電子国土(国土地理院)より
http://maps.gsi.go.jp/#15/42.363015/142.318482
「道の駅」に「レ・コード館」が

日高線の運休が多い理由

現在,日高線の鵡川-様似間は運休中。日高線の運休は,私が沿線に住んでいた50数年ほど前から珍しいことではなかった。運休しやすいのは地形が原因。線路は海岸線の崖下に引かれており,高波や崖崩れの被害をすぐに受けてしまうのだ。

日高線 厚賀ー大狩部間における盛土流出についてwww.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150113-3.pdf

問題は,なぜ数十メートル上の崖の上ではなく,崖下に線路を敷設したのかだ。もう一つの交通路である道路は,多くの場合鉄道と並行して山側か,さもなければ丘の上を走っているのに。

新冠の市街地を展望して気が付いた。街ごとに,汽車が平地から丘へ急傾斜を上るのを繰り返すことができなかったのだ。だから,海岸線を崖にへばりつくようにして鉄路は伸びたのだ。

さて,困ったことにJR北海道は日高線積極的に復旧させる意欲を見せていない。最低でも4年間はバス代行が続くとのこと。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO86258590Y5A420C1L41000/

お金がない,できればこのままバス「代行」からバス「転換」に,ということなのだろうか? 函館本線でさえ持てあましているのだから,気持ちはわからないではないが。

利用する側にとっては,廃線でバス代行よりは現在の方がまし。なぜなら,JR料金はバス料金より安いから。

災害対策を考えたら,高速道路の延長を前倒しというのが最善の答えか?

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masao
ゲイツ,ジョブズ,さんまと同じ1955年生まれ。 この春から自由人?に。