空気を読まない貴乃花親方と暴力を否定しない人々
すっきりしない理由
ワイドショーでは,いまだに大相撲の暴行事件が取り上げられている。もういい加減にして欲しいとも思うが,相撲協会が問題の本質を理解していないから続いてしまう。協会が否定しているのは暴力の「行き過ぎ」だけで,「暴力で教える」ことは肯定しているようにみえる。貴乃花親方は,協会に報告すれば必ずうやむやにされると考え,まず警察に通報したのだ。普通,空気を読めば(協会の立場で言えば「常識」があれば)まず協会に報告ということになるが,そうすれば「丸く収め」られて事件はうやむやになってしまう。
空気が読めない,忖度できないのが貴乃花親方の特性。なので彼と協会の間はぎくしゃくし続ける。でも,彼の主張は全体としては正しいように思える。
「鉄拳制裁」を賛美するマスコミ
相撲界だけでなく,野球人とそれに関わる人たちにも同じように暴力を肯定する人々が今も存在している。先ごろ星野監督が亡くなって,「熱血監督」として評価する記事がマスコミにあふれている。気迫にあふれた星野選手・監督は嫌いではない。しかし「鉄拳制裁」という暴力をひたすら美談として語ってしまって良いのだろうか?
想い出すのは大久保コーチの菊池雄星選手に対する暴行問題である。菊池選手は古典的な体育会系の人間から見ると「生意気」な選手である。自分の考えをもっていて,それを主張するからだ。「先輩が絶対」などと考えないからだ。そのため,大久保コーチに目を付けられる。
菊池選手は17年シーズンに開花し一流選手となったが,事件がなければもっと早くエースとして活躍していたのに違いないと思うのは私だけだろうか。
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