「自衛隊への協力を拒否」が6割 安倍首相が根拠とする統計は?
自衛隊への「協力を拒否」する市町村が6割
安倍首相は,憲法改正が必要な理由(の一つ?)を次の様に主張しています。「災害出動では自衛隊にたよるのに,自衛隊員の募集には協力を拒否する。そんな市町村が6割もある。(そうなっているのは,自衛隊は憲法違反だと主張する首長がいるからだ。)違憲だといわれないように,憲法に自衛隊を明記しよう。」
https://this.kiji.is/467274626826814561?c=39546741839462401
(共同通信)
「そうなのか。けしからん」と思った人も,「本当に6割?」と思った人もいるでしょう。こんなときは,できるだけ主張の根拠となる数字を探そうと思う。
その根拠となる統計は?
16日の朝日新聞に,首相の発言の根拠となっている(と思われる)統計が載っている記事を見つけました。https://www.asahi.com/articles/ASM2H547PM2HUTFK01F.html(朝日新聞デジタル)
2017年に防衛省が集計したもので,この数値が示しているのは,
1.対象者の名簿を作成して渡している市町村は 36%
名簿を作成しない市町村が64%
……安倍首相が主張している「協力を拒否」とは,名簿を作成していない6割のこと
2.対象者の名簿を作成して渡すか住民基本台帳の閲覧を認めている市町村が 90%
そもそも照会されていない市町村が 10%
積極的に拒否している市町村が 0.3%
……「協力を拒否」を,「要請されても住民基本台帳を見せない」ととると0.3%
政治的判断は人それぞれでしょうが,もとになる数字を適切に知った上で判断することが大切ですね。
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