産経新聞に教えられた「働き方改革 政府の思惑」

「働き方改革」で国会はもめています。それに関する産経新聞の記事をWebで読んで「ん!?」と思いました。

産経ニュース 2018年2月23日
「働き方改革法案 崩れた政府の思惑 連合離反,自民党からも異論続出」
www.sankei.com/politics/news/180223/plt1802230003-n1.html

この記事には,「残業時間規制には,中小企業経営者の間に,残業時間の減少で労働力不足になるという反発があるので,裁量労働制の適用拡大を抱き合わせにしている」という趣旨の内容が書かれています(記事全体の趣旨ではありません)。

これは,言い換えれば「残業時間規制を設けても,裁量労働制の適用を拡大すれば,労働者の労働時間は実質減らないから大丈夫ですと言って政府は説得している」ということです。

この産経新聞の説明はあたっているのでしょうか? そうだとすれば,「働き方改革」とは,「経営者にとって,忙しい月には100時間までは残業を一律に課すことができるようにするとともに,残業代を追加せずにいくらでも働かすことのできる人を増やすこと」だということになります。

政府は,「裁量労働制の拡大」の適用を1年延期する方向で動いていますが,残業時間規制と分離して法案を提出することは拒否しています。ということは,「抱き合わせで,実質の労働時間を減らさない」という産経新聞の説明が正しいのでしょう。

であれば,政府の提案する「働き方改革」は,「労働生産性を上げるために,長時間労働を解消し,より創造的な働き方を実現すること。ワーク・ライフ・バランスを実現すること」ではありません。これでは,経営者以外の国民の多くは不幸になり,政府が心配する「日本の国際競争力」も(労働生産性は上がらないので)長期的には下がってしまいます。

いかがなものでしょうか。

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masao
ゲイツ,ジョブズ,さんまと同じ1955年生まれ。 この春から自由人?に。