権力が腐敗するのは普遍的 基本的人権は普遍的でないとしても
基本的人権は中世からあったわけではない
基本的人権は西欧近代が生み出したものだ。だから、異なる歴史や文化をもつ中国の共産党や、日本の自民党が基本的人権を否定するのは理解できる。(自民党の改憲案は基本的人権を否定している。そのあらわれが,日本国憲法の「個人」を「人」にいちいち直していることだ。)では,「権力は腐敗する」はどうだろう。歴史上、腐敗しなかった権力はない。これは時代や文化を問わない事実だ。
「良い独裁」はありえない
権力は必要なものだが,通常,支配される側には権力に抵抗する手段がない。権力の不在によって悲惨な状況が生み出されてきたが,同様に,権力によって悲惨な状況が生み出されてきたというのが歴史の事実だ。時に人々は「良い支配者による独裁」を望む。しかしそれは,支配される人々の期待に反して,必ず悲惨な結果をもたらす。共産党の一党独裁は,社会主義では善とされてきたが結果はどうだ。
権力のやりたい放題をふせぐ法の支配・立憲主義
それでは,権力の腐敗(やりたいほうだい)に対抗する方法はないのか? それが「法の支配」であり,立憲主義なのだ。これは近代民主主義が生み出したものだが,普遍的な「権力の腐敗」に対して,支配される人々が身を守るための,今考えられる中では最も有効方法だ。中国の政治にはこれがないから,共産党の絶対権力から人々は身を守ることができず,文化大革命が起きたのだ。
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