不思議な教育改革の原因 ルサンチマンと国際化の恐怖

前の投稿のように,英語教育改革は非合理的なのだが,どんな行動にも理由はある。

1.ルサンチマン
「中学校から6年間も英語を勉強したのにしゃべれない」という怨念。現在も大学入試を左右する要因として英語はあるから,多くの人が社会や理科より時間をかけて勉強する。「英会話ができないのは,日本の英語教育が悪い」となるのは理解できる。

そこで,もっと小さい時からやれば,アメリカ人のように自然と話せるようになると思うわけだ。

2.国際化への恐怖

「シンガポールの人は同じアジア人でも英語がうまい。国際化が進むから,英語ができない日本人は国際競争に負ける」という恐怖。

シンガポールと日本を同じに考えることはできない。都市国家であるシンガポールは,金融やIT産業などグローバルな産業で生き延びていくしかない。そして,高等教育を母国語でおこなうこともできない。しかし,日本にとっては単純な国際化が最適解ではないはず。

日本人が思うグローバルとはアメリカ化である。しかし,世界はグローバルとローカルのせめぎ合いでできている。何も,アメリカの土俵で,アメリカの基準で戦ってあげる必要はない。例えば英語で議論をすれば非英語圏の人間は圧倒的に不利。「あなたたちは日本語ができないから,英語で話してあげてるのよ」くらいの心構えでいかないと。

国際的に展開したいアパレル産業の社長なら,社員のすべてが一つの言語でコミュニケーションできれば効率があがって儲けられるのだから,もっと英語をというのはわかる。言語の壁がとりはらわれて,世界中から同じ能力の中で最も安い労働力が選べれば嬉しいに決まっている。そうなったら,社長も日本人である必要もないか……。

これからは「世界に認められるガラパゴス」が日本の追究すべき道なのかな。

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masao
ゲイツ,ジョブズ,さんまと同じ1955年生まれ。 この春から自由人?に。