安部総裁の怪気炎 お金を刷れば経済回復?

デフレスパイラルから脱却するにはインフレを作ればよい。これが自民党総裁である安倍氏の政策である。

財政政策で経済は回復したか?

政府が借金をしてでも財政支出を増やせば景気は回復するというケインズ的財政政策の根拠は以下の通りである。
(入口)国債を発行して財政支出を増やす→景気回復→国債を回収する(出口へ)

しかし,ここ数十年,先進諸国に起こったのは以下のことである。
(入口)国債を発行して財政支出を増やす→しかし,景気回復せず(入口に戻る)
ここから無限ループに入って累積債務が膨大に→財政危機

ギリシャ・スペインだけでなく大方の先進国はこうなっている。日本も近年これを続けてきたが経済は回復せず,財政危機に陥ってしまった。
すでに思うような効果があがらないことは証明されている。なのに,どうして,「もっと派手にやれば解決できる」と考えられるのか。

経済学は破綻している?

ケインズ政策が機能しないのは,前提となっている社会のモデルが現実の社会と大きくずれてきているからである。つまり,古典的景気変動が不況の要因であれば効果はあるが,成熟した資本主義経済の社会では需要不足を財政支出で補っても,その後生産者が期待するほどの需要は維持できないのだ。

社会科学においては,社会を分析してモデルをつくり,そのモデルをつかって将来を予測していく。しかし,社会が変化すれば新たなモデルを模索してつくりあげていくものである。

では,そうしない理由は?

経済学の怠慢・発想の貧困という理由の他には,現状の経済で力をもっている人々が、その力を失いたくないからということがあげられる。経済のあり方が変われば力を失うからである。しかし,いつかは経済は壊れる。ギリシャのような大きな痛みを伴って。

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masao
ゲイツ,ジョブズ,さんまと同じ1955年生まれ。 この春から自由人?に。