内村はなぜ負けた 体操団体

ロンドンオリンピック体操個人総合で金メダルを獲得した内村だが、団体では失敗の連続であった。その理由は何か？

個人総合では、実力は抜きんでており、多少のミスがあっても優勝できるという状況であった。実際、鉄棒などいくつかの種目で演技のレベルを下げている。このような状況では緊張はあまりない。だから良い結果が出やすい。

一方、団体で優勝するためには、彼が最高の演技をして得点を稼がなくてはならなかった。難易度のたかい演技をきめるというのは失敗のリスクが高くなるし、そのために緊張が高まり、結果はご存じの通りとなってしまった。

さらに、「自分のため」に頑張るというのは失敗しても自分の責任だし、すでに世界選手権で３連覇している彼は、個人の「世界一」には慣れている。それに対して「チームのため」というのは、自分の失敗が他の人に影響を与えるのだと考えるとプレッシャーになる。

団体戦での金メダルという目標にとらわれて自分を追い込んでしまった。スポーツの心理というのは微妙なものですね。