真珠湾攻撃とアベノミクスの類似性 解決できない問題を解決しようとすれば
アベノミクスがなんだが真珠湾攻撃に思えてきた
異次元の緩和をきっかけにして経済は高成長するというのは,真珠湾攻撃が成功すれば,アメリカとの外交交渉で有利な結果を出せるという「希望的観測」とよく似ている。
このまま黙っていてはジリ貧になる。だから「この道しかない」=太平洋戦争では対米短期決戦。アベノミクスも緒戦は大勝利(円安・株高)だったが,消費は伸びず依然「道半ば」。原油安というミッドウェー以降,世界経済の停滞でGDPは伸びず,バズーカを打ち続けるという消耗戦に。
第二ステージでは,一億総動員ならぬ一億総活躍を唱えている。経済成長のために,すべての国民が全力で「挑戦」するのだ。
ケチを付けるなら,代替案はあるのか
安倍首相は,野党が代替案をしめせないことを批判するが,今日の経済の停滞は世界中の先進国に共通のことで,今の経済体制のもとで,日本が一国で解決できるようなことではない。問題の根本は,永久に成長を続けることはできないのに,永久に成長しないと困るということにある。そして,まるでそれが可能であるかのように思うことが悲惨な結果を生む。解決策がないというのが正解なので,代替案が出せるわけもないのだ。
指導者は責任を取らない
太平洋戦争では,敗戦が必至の状況になっても,責任を取りたくない指導者たちが決断を先送りして,いたずらに犠牲者が増えた。アベノミクスも,うまくいっていないことは明らか。しかし,安倍首相は,失敗を認めたくないので,もうすこし激しく,徹底的にやればうまくいくと戦略をエスカレートしている。現状でも,異次元緩和の後始末は大変なことなのだが,さらに深刻化しないように,早急に失敗を認めて,一億総玉砕,そして一億総懺悔への道をたどらないようにしてほしいものだ。
コメント