追求すべき失言,そうでもない失言

自民党の丸山和也参院議員が,2月17日の参院憲法審査会で次のような発言をして非難されたが,いかがなものか。

「例えば今,アメリカは黒人が大統領になっているんですよ。黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ。(中略)まさか,アメリカの建国当初の時代に,黒人・奴隷がアメリカの大統領になるとは考えもしない。これだけのですね,ダイナミック な変革をしていく国なんです。」

確かに,黒人差別と揚げ足を取られても仕方ない言い回しではある。弁護士,タレント,そして国会議員という,言葉で仕事をし続けてきた人ならば考えにくい「不適切」な発言ではある。

でも,言いたかったことは「奴隷の子孫が大統領になるほど,アメリカは社会が変化した」ということであり,(オバマ大統領の祖先がアフリカからの奴隷ではないという事実誤認はあるが)差別の気持ちが発言に現れたものではない。

 失言が問題になるのは,発言に「隠していた本音」があらわれて,その本音が問題な内容だからだ。普段は隠している「差別的な本音」が「思わず」現れてしまうことで非難されるのだ。

そして,その場合に政治家は「言葉足らずで私の意図するところが伝わらなかった」と弁明するのだが,「言葉を足らせたらもっと大変な問題になるしょ」というのが通常だ。

ここらへん,ちゃんと区別して批判しなくては。気をつけましょう,皆さん。

(丸山氏を支持する・しないを論じている訳ではありません。)

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masao
ゲイツ,ジョブズ,さんまと同じ1955年生まれ。 この春から自由人?に。