道教委もLGBT考慮に第一歩 願書の性別欄を削除

北海道教育委員会は7日,来年度の高校入試から願書の性別欄をなくすると発表しました。

これには正直,驚きました。道教委がLGBTについて認識があるとは少しも思っていなかったからです。調べていくと,他府県で先行例が多数あるということです。乗り遅れて,目立ってはいけないというお役所の行動規範なのでしょうか。

ただ,調査書(中学校が高校に提出する)には性別が記されるとのこと。願書に本人が性別を「記入する」ときの抵抗感が除かれるということだけのようです。

セクシャリティーの多様性を認める第一歩とは言えるのかもしれませんが,第二歩以降があるかどうかは疑わしいです。なぜなら,現在の学校教育は,生徒の多様性を尊重すると口にはしますが,現実には,熱心に,あるいは無意識・無自覚に進められているのは「同一性の強制」なのですから。

昨今,「ブラック校則」が問題になっていますが,「生徒らしい格好で,同じ行動を規律正しくとる」ことが,毎日の指導の大きな目標となっているのです。そのため,本来の髪色が茶色である生徒が地毛登録をさせられたりします。「あるべき髪色は黒なので茶色はいけない。でも,天然は仕方ないので認めてあげる。」ありのままであることに許可が必要なのです。

これは,教育のあり方の問題と言うより,社会のあり方の問題だと思います。金子みすヾさんの「みんなちがって,みんないい」というフレーズは人気がありますが,それぞれ違った特性を持った人が,その特性のままに充実した人生を送ろうとすると,「自分の好きなように生きるのはわがまま」と言う人が沢山いるのが現実です。

そして困ったことに,多様性を実現するにはお金がかかるのです。参議院に重度の障害をもった議員が誕生して,そのための対応に費用をどうすべきかということが議論になってしまうのが日本と言う国です。


「多様性を尊重する」とは,人には一般的な「あるべき姿」などないことを認めることです。もちろんこれはLGBTだけの問題ではありません。窮屈な日本,なんとか変わらないものでしょうかね。

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masao
ゲイツ,ジョブズ,さんまと同じ1955年生まれ。 この春から自由人?に。