村上作品の主人公について 「1Q84」を読んで

遅ればせながら,今年も「賞」をとれなかった村上春樹の「1Q84」を読んだ。

私は,小説はあまり読まないのだが,村上の作品は30年ほど前から続んできた。といってもほんの一部だが。

村上が好きかどうかは,主人公の男性の生活にシンパシーを持てるかどうかで決まる。彼は,独身で知性的,家事もこなす。それなりの職業に就いて,経済的には困ることはない。一方で,漠然とした喪失感を抱えている。

こんな主人公に「そう,その通り」と思えるか,「何すかしてるんだ」と思うかで,作品を気にいるかどうかは別れる。「1Q84」のヒーロー,天吾もまさにそのような男性で,私はこの感じが好きだ。

一方,ファンタジー的な,そして人がたくさん殺されるストーリーは,私の好みではない。結果,「いまいち」という気分で読了した。

ところで,「1Q84」は,続編を期待させる終わり方になっている。看板の絵柄がが左右入れ替わっているなどは,続編への伏線であると思うのが自然だ。戻った世界はもとの世界と違う。そこは「1旧84」だった…‥なんてね。


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masao
ゲイツ,ジョブズ,さんまと同じ1955年生まれ。 この春から自由人?に。