安倍首相の「挑戦」 中身の無いスローガンは百害あって一利なし

安倍首相は,22日の施政方針演説で「挑戦」を20回繰り返した。相変わらずの「気合」である。

目標に向かって「挑戦」するといっても,中身や方法は,行き当たりばったりか誤った方法(正しいという信念があるから困るのだが)。「批判ばかりではなく対案を出せ」と野党を非難する首相。だが,「政府案」も案と言えるものではない。

首相の「挑戦」とは,まるで「100mを10秒で走る」という目標をたて,その方法が「一日0.01秒ずつ早く走ること」とするようなもの。「そんなことは不可能」と指摘したら「じゃあ対案を示せ」といわれてしまうのです。

「新3本の矢」という「目標」には「矢」(方法)は示されていないというのは多くの人が指摘していること。

「 一億総活躍」も同じ。介護離職ゼロを目指して特養を増やすというが,財政面と労働力の不足についてどうするかの話はない。外国人の労働力を安価に使おうと考えているのならそう言って欲しいのだが。

憲法改正も高らかにうたっているが,「何について変えるかはこれから」というから理解できなくなる。「この条文のここに問題があるから,こう変えたい」というのが法律を改正しようとする理由だと思うのだが。これを素直に,論理的に分析していくと次のいずれかになる。1)改正自体が目的(「憲法を変えた首相」として歴史に名を残す),2)隠れた目的がある(自民党の現憲法改正案は,実は近代民主主義を根本的に否定している。自民党には,国家を構成する主体は個人であるという民主主義の発想に強烈な違和感を持っている。だから,現憲法の「個人」を「人間」に変えているのだ)。

日本の軍隊は,上層部の実現不可能な命令によって自滅した。「作戦」が命じられても方法と物質的な裏付けがなかったから,太平洋の島々で兵隊は餓死し,病死し,最後はそこで死ぬまで戦えという命令で死んでいったのだ。

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masao
ゲイツ,ジョブズ,さんまと同じ1955年生まれ。 この春から自由人?に。