レスリングと柔道の違い:オリンピック除外問題
レスリングがオリンピックから除外される危機にある。第一の理由は「コンテンツとしての商品価値」が低いこと。テレビなどのメディアでどれだけ受けるかが重要なのだ。
さらには,IOC委員の関心の低さ。オリンピックはF1と同じく西欧貴族の文化であり,フランスもイギリスもメダルが期待できない競技に選考委員には関心がないのだ。
一方,もう一つの日本の得意種目である柔道はこれからも種目から除外される危険は低い。なぜなら,柔道はフランスなど西欧に広く普及しているから。西欧の選手もメダルをとっており,IOC委員の関心は高く,「コンテンツとしての価値」はレスリングに比べて高い。また,レスリング女子のように,日本の金メダルも突出してはいない。
柔道では,全階級で金メダルを求めるファンや「気合を入れる」指導者もいるが,もし,日本の代表がメダルを常に独り占めしていたら,オリンピックに柔道はなくなる。柔道が世界に普及したからこそオリンピック競技として成立するのであり,そうであるなら,メダルの独り占めなどできなくなるのだ。
そう考えると,ロンドンオリンピックの結果(男女合わせて金1,銀3,銅3)は決して悪いものではなかったと私は思っている。
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