楽しませていただきました,W杯。そして日本の未来は

楽しませていただきました

降り続た雨もようやくあがりましたが,湿っぽい天気には変わりありません。庭には紫陽花が美しく咲いています。


ロシアW杯,日本チームの戦いは終わりました。期待値を大きく上回る活躍,楽しませていただきました。

大会前の状況から,グループリーグ突破できるとは全く思っていませんでした。選手の皆さん,大変失礼いたしました。

もちろん,コロンビア戦でのレッドカードという幸運がなければ,ベルギー戦での健闘も含めて,この結果はなかったでしょう。しかし,その幸運を生かすだけの力を日本チームはもっていました。香川・長友・乾のコンビネーションによる攻撃など,世界レベルにあることを知らされました。「古い井戸」*1 には美味しい水がたたえられていたのです。

*1 かつて,オシム監督が言った名言。「古い井戸があります。そこには水が少し残っています。それなのに、古い井戸を完全に捨てて新しい井戸を掘りますか?」

西野監督の手腕は素晴らしいものでした。ハリルホジッチ監督だったらどうだったのでしょうか。本番にピッタリ合わせてきたという可能性もなかったわけではありませんが。とにかく結果は吉と出ました。

ジャイアントキリングの条件

惜しかったベルギー戦。ジャイアントキリングかと期待されましたが,その条件に欠けるところが一つ。ジャイアントキリングの鉄則に,「後半残り少ない時間でラッキーな先制点」というのがあります。早い時間にリードすると,格上のチームが必死になって反撃してくるので持ちこたえられないのです。もう10分,それぞれの得点が遅ければ逃げ切れた可能性もあったのですが。試合終盤の日本には「中盤で自由にさせない守備」ができるだけの余力はありませんでした。

ロスタイムの,カウンターアタックにつながった本田のコーナーキックを批判する声もあります。しかし,あのまま延長戦に入っても日本が勝てる見通しはほとんどなかったので,コーナーキックに賭けるのはいたしかたなかったかと。

これからの日本代表は

西野監督の続投か,それとも交代か? 前ドイツ代表監督クリンスマン氏が決定的という報道もありましたが。「一つしか勝っていないのだから,続投はありえない」などと,とんちんかんなことを言っている方もいるようです。

大会前の状態を考えると,西野監督は十二分に手腕を発揮しています。(それにしても,日本の,6大会で3回グループリーグ突破という成績は立派。日本はW杯に強い国です。)

監督がどうなるかはわかりませんが,ようやく日本の「スタイル」が見えてきたように思います。ブラジル大会のようなパスサッカーでは勝てないが,長所を捨てる必要はありません。世界に通用するスピード(俊敏性)・テクニック・コンビネーションを生かした多様な攻撃を仕掛けるサッカーを目指せばよいのでしょう。

日本の最大の弱点は「サイズ」。キーパーは190センチの身長が欲しいものです。センターバック・フォワードも大きさが。歴史上,ヨーロッパでそれなりにプレーしてきたキーパーは川島選手だけ。センターバックも吉田選手だけです。190センチクラスの屈強なフォワードもいません。まあ,一番「近かった」のは高原選手でしょうが。

これらのポジションに,数人の「でかい」一流選手が生まれてくれば,いよいよ8強も現実的になります。もちろん,選手個人のヨーロッパでの活躍だけでなく,壁に当たっているJリーグの活性化というのも不可欠なのですが。日本チームがアジアチャンピオンズリーグでなかなか勝てなくなっているのが現状です。長谷部選手や本田選手らが日本にもどってきてプレーし,経験を伝えてくれると嬉しいのですが。指導者の新陳代謝も必要ですね。

日本サッカーの未来に期待を失っていた私ですが,それを取り戻すことができた大会でした。

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masao
ゲイツ,ジョブズ,さんまと同じ1955年生まれ。 この春から自由人?に。