自衛隊は憲法で認めるべきとは思うが…
憲法記念日に際して,安倍首相は憲法第9条の改正を目指すと宣言した。
私は,自衛のための軍事力を持つことは必要と考える。軍事力を持たなければ国は守れない。しかし,その逆,「軍事力を持てば国を守れる」は真とは言えない。
戦後,アメリカは世界最大の軍事力を誇ってきたが,冷戦下,軍事的危機は続いた。そして,近年ではテロの脅威に晒されている。日本は明治維新以後,国力をあげて軍事力を強化してきたが,最終的には他国に占領された。
アメリカの占領下,「必敗の」戦争を挑んできた日本を不気味に思ったアメリカは,戦争の原因は狂信的な軍国主義と断じて,全く軍事力をもてない憲法を作ったが,それを多くの日本人が受け入れてきたのは「軍事力では国は守れなかった」ということを体験した直後だったからである。
「軍事力だけでは国は守れない」,「防衛のための軍事力の強化は,他の国にとっては脅威になる」。様々な要素を考えて,その時々の最適解を求めていく(外交を含めた)政治の過程が必要なのだが,今,世界の政治は,そのような「あいまいさ」を理解しようとしない。世界は複雑なのに,単純な答えを示さないと権力を手にできないようになってしまっているのだ。
そして,日本の政治もそのように見える。
コメント