PCR検査を積極的にする・しないでもめる理由は?

新型コロナウィルスの感染拡大の防止については,積極的に検査をすべきと言う意見と積極的に検査をしてはだめという意見が対立しています。しかも「専門家」間の対立です。

「新型」のウィルスにはどう対処すれば良いのか

新しい感染症では,ワクチンも治療薬もないので対症療法しかできません。そのため,できるだけ感染者を見つけてそこからの拡大を防いで時間を稼ぎ,治療薬やワクチンの開発を急ぎます。

現在起きている新型コロナ感染症に対しては,熱・せきなどの感染が疑わしい症状がある人を積極的に検査することが必要です。(国民全員を検査できれば最善なのですがそれは不可能でしょう。)

しかし,厚生労働省は積極的検査を否定します。その理由は
1)検査を積極的にすると検査に医療資源が消費される。
2)医療従事者が検査で感染してしまう。
3)その結果医療崩壊に陥る。
だから,クラスター潰しが最善策であり,さらに,偽陽性・偽陰性の問題もあるなどという考え方です。

なぜ,専門家の意見が分かれるのか

私(=しろうと)には検査を積極的にすべきなのは明らかに思えるのですが,専門的知見を持った人の意見がなぜ分かれるのでしょうか?

その理由として「悪しき経験論」が考えられます。「悪しき経験論」とは,ある状況での成功体験を,違う状況に適用することです。そしてそれは必ず失敗につながります。例えば,「1964年の東京オリンピックで経済が発展したから,またオリンピックをやろう」とか。(「成功は失敗のもと」です。)

エボラ出血熱のような,潜伏期間中は感染力がなく,感染すればほぼ重症化し死亡率も高い感染症であれば(社会に薄く広く広がることはないので)検査は感染者に接触した人に限定すべきでしょう。多くの人にウィルス検査をするのは危険な割に効果はありません。やるべきことはクラスター潰しでしょう。

でも,それは,すでに感染経路不明の感染者が見つかっている=社会に薄く広く広がっているであろう新型コロナウィルス感染症には適用できません。感染者と診断されていない人がウィルスをまき散らすことを少しでも防ぐために,出来るだけ多くの人を検査する必要があります。検査に消極的であれば,感染者が増えて医療崩壊がおきます。日本には,かぜぐらいでは会社を休まない・休めない人が多いのですから。

東京のこれからが心配です。

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masao
ゲイツ,ジョブズ,さんまと同じ1955年生まれ。 この春から自由人?に。